景気循環と投資家心理
- 景気は人々の将来に対する考え方
- 景気循環の中で、当事者は合理的な判断ができない
長期投資において、景気循環は避けて通れません。
長く投資を継続する中で、好景気も不景気もどちらも経験することでしょう。
バブルや大不況にも遭遇するかもしれません。
ここでは、そんな時に投資家がどんな行動をするのかをお教えします。
昔よりも経済が豊かになっているのは事実ですが、それにも関わらず、景気が悪いとは一体どういうことなのでしょうか。
これには、その時点での人々の将来に対する考え方が関係しています。
人々の将来に対する考え方が、
ポジティブな場合は景気が良い、
ネガティブな場合は景気が悪い、
と判断されます。
例えば、
収入が上がる、良い職に就けるなど、ポジティブな場合は、お金を使う好循環となり、
収入が上がらない、失業するなど、ネガティブな場合は、お金を使わない悪循環となります。
なので、経済的に豊かにも関わらず、景気が悪いという状態は発生します。
人々の考え方次第で景気が変わるなんて信じられないかもしれませんが、結局、景気は人々の集団心理で形成されているということです。
それ以上でもそれ以下でもありません。
景気は集団心理なのです。
投資において、合理的な行動ができない原因として、人間の感情があります。
いわゆる投資家心理ですね。
例えば、好景気の時は、段々と景気が良くなっていく中で、労働条件が改善され、誰も将来の経済が悪化するなんて思っていません。
一方、不景気の時は、段々と景気が悪くなっていく中で、多くの人々が職を失い、誰も将来の経済が回復するなんて思っていないのです。
過去の歴史的に、好景気も不景気もずっと続くものではないと理解していてもです。
投資家の欲や不安で簡単に市場は動いてしまいます。
オイルショックやリーマンショックなど、ショックは突然訪れます。
しかし、それに対応できる人は少ないのです。
歴史的には好景気もショックもずっと続くものではないと頭では理解していても、人間には感情があるので、合理的な行動ができないようです。
例えば、好景気の時は、誰も将来の経済が悪化するなんて思っていませんが、ショックは突然訪れます。
一方、ショックの時は、誰も将来の経済が回復するなんて思っていません。
合理的な行動ができないことについて、歴史の視点から見ると不思議に思うかもしれませんが、当事者の視点から見ると真剣に考えて行動しているため、それが間違っていると思っていないのです。
それでは、長期投資において、景気が変動する中で、いつ買えばいいのか、いつ売ればいいのか、という判断方法について考えていきます。
結論から言うと、
買うタイミングは?
売るタイミングは?
なんて、長期投資で売買タイミングに執心するのはナンセンスです。
安く買って高く売ることを市場の参加者全員が目指した場合、他の参加者が判断を間違い続けない限り、短期的な売買差益を維持することはできません。
自分の判断も他人の判断もいつも正しいわけではなく、残るのは結果だけです。
上昇や下落のピークは過ぎた後から見て、あれがピークだったんだなとわかるもので、当事者には未来の相場なんてわからないのです。
そんな中で、長期的に利益を得る方法としては、景気に関係なく買い続けるという方法が考えられます。
ただし、ここで注意点があります。
不景気の時に買いに行けば安く買えると思われるかもしれませんが、収入が減少したり、失業したり、生活基盤が崩壊している状態で買いに行くのは無理があるのではないでしょうか。
自分のお金が減り続けて、精神的に追い込まれていく中で、さらにお金を失うリスクを取りに行くのは心理的に難しいはずです。
自分の収入が減るのと同時にリスク資産の価値も減る状態です。
おまけにメンタルも削れます。
鋼のメンタルなんて誰でも持っているわけではありません。
売りたくなくても、売る状態に追い込まれてしまいます。
結局のところ、長期投資するには、将来に楽観的な方がいいのですが、悲観的に準備している投資家だけが生き残れます。
日本はバブル崩壊後、物価も収入も上がらない状態が続きましたが、収入の源泉となる物価が上がる好循環になってきています。
株価が好調なことから、資産のほとんどをリスク資産にしたくなるかもしれませんが、生活防衛資金は確保しておきましょう。
- 景気は人々の将来に対する考え方
- 景気循環の中で、当事者は合理的な判断ができない