保険料の削減その2

- 保険料削減の第一歩として、現在加入している保険を見える化し、保険加入の目的と必要保障額を明確化しよう
- 保険料削減のテクニックは5つ(不要な特約・オプションの見直し、保険期間・払込期間の見直し、保障額の減額、貯蓄型保険から掛け捨て型保険への切り替え、複数社の保険の比較検討)
- 保険料削減の注意点は3つ(必要保障額を下回らないようにする、健康状態の変化に注意する、解約返戻金や契約者貸付の影響を確認する)
毎月、なんとなく保険料を払っているけれど、本当にこれでいいのかな、、、
そう感じている方は少なくないはずです。
人生には様々なリスクがつきものです。
病気やケガ、万が一のことが起こった時に家族を守るため、私たちは保険に加入します。
しかし、保険料は家計の中でも大きな割合を占める固定費の一つです。
もしかしたら、今あなたが払っている保険料の中に、実は削減できるムダが隠れているかもしれません。
今回は、保険料を賢く見直し、家計の負担を減らすための具体的な方法についてお話しします。
多くの人が保険に加入するきっかけは、結婚や出産、住宅購入など、ライフイベントで日常生活が大きく変化するタイミングでしょう。
しかし、一度加入した保険は、その後のライフステージの変化に合わせて見直す機会が少ないのが現状です。
例えば、お子さんが独立して教育費の負担がなくなったのに、学資保険と別に高額な死亡保障を継続していませんか。
住宅ローンを完済したのに、必要以上の団体信用生命保険に加入したままになっていませんか。
私たちの生活は常に変化しています。
それに伴い、必要な保障も変化していくのは当然のことです。
にもかかわらず、昔加入した保険を漫然と続けていると、必要のない保障に保険料を払い続けたり、逆に本当に必要な保障が足りていなかったりするといった「ムダ」や「リスク」が生じてしまうのです。
定期的に保険を見直すことは、現在のあなたの状況に最適な保障内容に調整し、結果的に保険料を削減するだけでなく、本当に必要な保障を確保するための重要なステップなのです。
やみくもに保険会社を比較する前に、まずは現状を把握し、何のために保険料を削減したいのかを明確にすることが重要です。
まずは、現在加入しているすべての保険証券を集めましょう。
そして、以下の項目を書き出してみてください。
- 保険の種類(生命保険、医療保険、がん保険、自動車保険、火災保険など)
- 契約者・被保険者(誰が契約していて、誰に保障がかかっているのか)
- 保険期間(いつまで保障が続くのか)
- 保険料(月々いくら払っているのか)
- 保障内容(死亡保障、入院給付金、手術給付金、特約など)
- 払込方法(月払い、年払いなど)
- 契約日(いつ契約したのか)
この作業を通じて、自分がどんな保険に、いくら保険料を払っているのかを「見える化」することができます。
思っていた以上に多くの保険に加入していたり、加入している保険の内容を把握していなかったりすることに気づくかもしれません。
次に、なぜ保険に加入しているのか、その目的を明確にしましょう。
- 家族の生活費の保障(死亡時の遺族の生活費をまかなうため)
- 医療費の備え(病気やケガで入院・手術した場合の医療費をカバーするため)
- がんへの備え(がん治療にかかる費用をカバーするため)
- 老後の生活費の備え(貯蓄や年金だけでは不足する老後資金を補うため)
目的が明確になったら、それぞれに必要な保障額の目安を算出します。
例えば、死亡保障であれば、遺された家族が生活していくのに必要な費用(教育費、住居費、生活費など)から、遺族年金や貯蓄などを差し引いた金額が目安となります。
医療保険であれば、公的医療保険でカバーできない自己負担額や、先進医療にかかる費用などを考慮する必要があります。
この段階で「なんとなく不安だから」という理由で高額な保障を付けていないか、冷静に判断することが大切です。
現状把握と目的の明確化ができたら、いよいよ具体的な削減テクニックに移りましょう。
保険証券を見て、加入している特約やオプションを確認してください。
例えば、入院時に個室を利用するための「差額ベッド代特約」や、先進医療を受けるための「先進医療特約」など、様々な特約があります。
- 本当に必要か
過去に利用したことがあるか、今後利用する可能性は高いか、自費でまかなえないかなど、冷静に判断しましょう。
- 重複していないか
複数の保険に同じような保障が付いていて、保障が重複しているケースもあります。
不要な特約を外すだけで、保険料を大きく削減できる可能性があります。
終身保険のように保障が一生涯続くものもあれば、定期保険のように一定期間で保障が終わるものもあります。
また、保険料の払込期間も、一生涯払い続けるものや、60歳や65歳で払い込みが終了するものなど様々です。
- 保険期間の短縮
子どもが独立するなど、死亡保障が必要な期間が短くなった場合、保険期間を短くすることで保険料を削減できます。
- 払込期間の変更
余裕があるなら、早期に保険料の払い込みを終えることで、将来の保険料負担をなくすことも検討できます。
ただし、月々の保険料は高くなる傾向があります。
必要保障額を算出した結果、現在の保障額が過剰だった場合は、保障額を減額することを検討しましょう。
特に、死亡保障はライフステージによって必要額が大きく変動しやすいものです。
貯蓄型保険(終身保険、養老保険など)は、保障と貯蓄の両方を兼ね備えていますが、その分、保険料が高くなりがちです。
一方で、掛け捨て型保険(定期保険、医療保険、がん保険など)は、貯蓄性はないものの、保険料が割安で、必要な保障を必要な期間だけ手厚くすることができます。
「貯蓄は貯蓄、保険は保険」と割り切り、貯蓄は別の金融商品で行い、保険は純粋な保障として掛け捨て型に切り替えることで、保険料を大きく削減できる場合があります。
保険料削減の最終手段として、複数社の保険商品を比較検討することが挙げられます。
- 保険会社によって保険料は様々
同じような保障内容でも、保険会社によって保険料は大きく異なります。
- インターネット保険の活用
窓口を持たないインターネット専業の保険会社は、人件費などのコストを抑えられるため、保険料が割安な傾向にあります。
- 保険の見直しサービスやFPへの相談
複数の保険会社の情報や複雑な保険商品を自分で比較するのは大変です。
無料の保険相談サービスやファイナンシャルプランナー(FP)に相談することで、あなたに合った最適な保険を見つけるサポートを受けることができます。
ただし、相談する際は、特定の保険会社の商品ばかりを勧めてくる業者ではなく、中立的な立場で複数の保険会社の商品を比較提案してくれる相談先を選びましょう。
保険料を削減することは大切ですが、安易な判断は禁物です。
保険料削減のために保障額を減らしすぎて、いざという時に保障が不足してしまっては本末転倒です。
必ず、あなたのライフステージに応じた必要保障額を算出した上で、保障を調整しましょう。
保険に加入する際は、健康状態の告知が必要です。
もし、保険を見直す時点で健康状態が悪化している場合、新しい保険に加入できなかったり、保険料が割高になったりする可能性があります。
現在の保険を解約する前に、新しい保険の加入が確実にできるか確認することが非常に重要です。
貯蓄型保険を解約する場合、それまでに積み立ててきた解約返戻金が受け取れる場合がありますが、早期解約では元本割れすることもあります。
また、契約者貸付を利用している場合は、完済してから解約しましょう。
保険料の削減は、単に支出を減らすだけでなく、あなたの家計を健全にし、将来への不安を軽減するための重要な一歩です。
まずは、現在の保障内容を把握し、何のために、いくらぐらいの保障が必要なのかを明確にすることから始めてみてください。
そして、不要な保障を削減し、本当に必要な保障だけを効率よく確保することで、月々の保険料負担を減らし、その分を貯蓄や投資、あるいは生活の質の向上に充てることができます。
人生のステージに合わせて、定期的に保険を見直す習慣をつけることが、賢い保険選びの秘訣です。
今日から、あなたの保険を見直して、より豊かな未来を築きましょう。

- 保険料削減の第一歩として、現在加入している保険を見える化し、保険加入の目的と必要保障額を明確化しよう
- 保険料削減のテクニックは5つ(不要な特約・オプションの見直し、保険期間・払込期間の見直し、保障額の減額、貯蓄型保険から掛け捨て型保険への切り替え、複数社の保険の比較検討)
- 保険料削減の注意点は3つ(必要保障額を下回らないようにする、健康状態の変化に注意する、解約返戻金や契約者貸付の影響を確認する)